道議会トピックス 平成29年(2017年)

平成29年(2017年)

学生と議員との意見交換会などが開催されました
(平成29年12月5日)

291222iken-1.jpg 291222iken-2.jpg

291222iken-3.jpg 291222iken-4.jpg

 12月5日、北海道議会と包括連携協定を締結している札幌大学法学専攻の学生(3年生と2年生の計3名)と道議会議員(全会派5名)は、道政課題などについて、学生からの質問に対して議員が回答する形で意見交換を行いました。

札幌の一極集中や地方の過疎化に関する質問

  • 地方に戻っても、子どもを産み育てることができる仕事が無ければ、地方に帰ることができない。このため、地域づくりが必要。
  • 札幌においても、市民や市議会も行政も、北海道のためにどのように貢献していくかを今後十分議論していくことが必要。
  • 消費地を支えている小さい町村が一次産業を担っているため、一次産業が成り立つことができる支援が必要。

などの意見がありました。

JRやバスなどの地域交通問題に関する質問

  • 町民の足を確保するために、町が企業のマイクロバス等を借り上げて路線バス代わりに使用している例がある。
  • 人口減少、少子高齢化に伴い、地域交通もそれに応じた対応をせざるをえず、中長期的な展望に立って、対策を考える必要がある。
  • 複数の市町村に跨がる交通手段の仕組みを考えていきたい。

などの意見がありました。

民生委員等のなり手不足に関する質問

  • 地域を自分たちでつくりあげていくという意識をどのように広げていくかが問題。町内会に関わっていきたいという若い人もいるので、そういう人を仲間に入れていくことも必要。

との意見がありました。


 意見交換後、学生からは、「率直な疑問を直接議員に聞いてもらったのが、大きな経験になりました。」、「地方の問題についての質問でも、広い視点をもって回答されており、とても勉強になりました。」、「議員は、会派の壁を超えて共通して考えている部分があることに気づきました。」、「北海道や国全体のことを考えているのだなと感じました。」などの感想が寄せられました。

 その後、学生たちは、本会議場で一般質問が行われている様子を傍聴しました。傍聴後、学生からは、「学生も道議会に来れば、もっと政治に関心を持ってもらえると思う。」などの感想が寄せられました。

議員研修会が開催されました
(平成29年11月28日)

291218kenshu-1.jpg 291218kenshu-2.jpg

291218kenshu-3.jpg 291218kenshu-4.jpg

 11月28日、日本赤十字北海道看護大学の教授であり、災害対策教育センターのセンター長でもあります根本昌宏(ねもとまさひろ)氏を講師にお招きして、「冬の災害を想定した命を守る避難所・避難生活」というテーマで、議員研修会を実施しました。
 この研修会は、議会議論の質の向上や、政策立案機能の充実・強化に向けた取組として行っているものです。
 根本教授からは、北海道は冬の時期が長く、災害発生後にどのように過ごすかについて、様々な具体例を交えてお話しいただきました。

冬を踏まえた災害食

 災害後、避難所で最初に起こる疾患が便秘です。冬は、低体温症になりやすく、カップラーメンなどの非常食により塩分が高くなるため、高血圧、心不全などが増えやすいです。さらに、エコノミークラス症候群やアレルギーもあります。北海道は、食料自給率が200%もあり、多くの食物に恵まれている場所です。その意味でも、非常食ではなく、災害食という考え方を普及させることが北海道らしい冬の災害対策になると考えています。
 ハイゼックス(非常時用炊飯袋)は、お米を炊くための袋ですが、普段、御飯を炊けない小学生でも、この袋で自分で御飯をつくることができます。防災教育という意味で、食から入ることも重要です。

積雪寒冷地停電の問題点

 万が一、積雪寒冷地で停電が起こると、全ての暖房が停止します。統計上、おそらく95%の暖房は使えません。水道管の凍結のおそれや、スマートフォンなどが充電できず、使えなくなるため、安否確認が難しくなります。これらを踏まえて、対策を考える必要があります。
 冬の避難所で放置すると発生するのが低体温症とエコノミークラス症候群です。低体温症は、気温15度でも発症するため、特に高齢者は要注意です。エコノミークラス症候群は、冬場の災害時は相乗的に増える可能性があります。
 避難された方が、車中で足を折った状態で水分を控え、運動を控えると、ふくらはぎの静脈の中に血栓ができます。この足の血栓が、立ち上がった瞬間に肺動脈に詰まり突然死の原因となる肺塞栓症を引き起こすことがあります。これがエコノミー症候群です。

段ボールベッド

 避難所演習で実際に段ボールベッドで寝てみると、90%の方が眠ることができました。床からの冷気をほぼ遮蔽できるすばらしい資材です。このため、北海道の冬型の災害の場合には、暖房を入れるよりも段ボールベットで寝た方が良いと考えています。利点は、温かく、硬さが軽減できます。22人の大人が上っても潰れません。段ボール板を1枚立てるとプライバシー空間を簡単につくることができます。また、3日間で2万台を迅速につくることが可能などの利点があります。

避難所空間

 避難所空間については、女性の視点が重要です。女性に我慢させない配慮をすると、非常に良い避難所になります。我慢させると、トイレに行きたくない、エコノミークラス症候群になるなど女性が被害を受けることがあります。避難所では、子どもたちや女性に配慮し、超急性期の避難所でも安全性を最大限確保することなどが必要です。

暴風雪と車

 車のマフラーから出る一酸化炭素を浴びると短時間で命を失うため、マフラーが詰まりそうな暴風雪のときはエンジンカットが絶対条件です。エンジンを停止すると、とても冷えるため、車内の対策を考える必要があります。足先を温めるためのカイロ、座席の倒し方、ハンドル等で確保できる空間が狭いことから運転席は使わないことが必要です。寝袋はマイナス10度以下に対応するものや、毛糸の帽子、できれば目出し帽が必要です。手回しのラジオは、スマートフォンを充電し続けるために重要です。羊羹や簡易トイレなども必要です。

 最後に、防災という言葉は、災害が起こらないようにする防災と、災害発生後にいかに命をつなぐかという防災の2つの意味がありますが、後者の防災を進めたいと考えています。


 根本教授は、ご自分で行われた検証結果などを具体的に話され、会場の議員も大変興味を持って聞き入っていました。講義後は、議員と根本教授との質疑応答があり、大変有意義なものでした。
 当日は、ハイゼックス(非常時用炊飯袋)が配られ、また、会場には、段ボールベッドや暴風雪時に安全な車中泊を行うためのキットの展示などが行われました。
 研修会終了後、複数の議員が段ボールベッドに実際に寝て、寝心地を確かめていました。

 

BACKHOME

カテゴリー

cc-by

page top