第3回定例会において議員及び委員会から提出のあった案件 意見案 意見案第1号 出産育児一時金の増額を求める意見書 3年3定 みよし まさし議員外4人提出 令和3年10月8日 原案可決 厚生労働省によると2019年度の出産費用が正常分娩の場合、全国平均額は約46万円で、室料差額等を含む費用の全国平均額は約52万4000円となっている。出産にかかる費用は年々増加し、費用が高い都市部では現在の42万円の出産育児一時金の支給額では賄えない状況になっており、平均額が約62万円と最も高い東京都では、現状、出産する人が約20万円を自己負担している計算となる。 国は、2009年10月から出産育児一時金を原則42万円に増額し、2011年4月にそれを恒久化、2015年1月以降の分娩から一時金に含まれる産科医療補償制度掛金分3万円を1万6000円に引き下げ、本来分39万円を40万4000円に引き上げたが、2022年1月以降の分娩からは産科医療補償制度掛金を1万2000円に引き下げ、本人の受領額を4000円増やすとともに、医療機関から費用の詳しいデータを収集し実態を把握した上で増額に向けて検討することとしている。 一方、2020年の出生数は84万835人で、前年に比べ2万4404人減少し過去最少となった。少子化の克服に向け、安心して子どもを産み育てられる環境を整えるためには、子どもの成長に応じた、きめ細かな支援を重ねていくことが重要であり、一時金はその大事な一手であると考えられる。 少子化対策は、我が国の重要課題の一つにほかならず、子育てのスタート期に当たる出産時の経済的な支援策を強化することは欠かせない。よって、国においては、現在の出産費用の負担に見合う出産育児一時金へ引き上げるよう強く求める。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 厚生労働大臣 内閣府特命担当大臣(少子化対策)  各通 北海道議会議長 おばた やすのり 意見案第2号 北方領土問題の解決促進等を求める意見書 3年3定 北方領土対策特別委員長  なかの ひでとし提出 令和3年10月8日 原案可決 我が国固有の領土である歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の返還の実現は、戦後残された最大の国家課題であり、全国民の永年の悲願である。 しかし、戦後76年を経た今もなお、北方四島は返還されず、日ロ両国間に平和条約が締結されていないことは誠に遺憾である。 日ロ両国間における政治対話を促進し、様々な分野での交流を拡大して相互理解を深め、北方領土問題を解決して平和条約を締結することは、両国間関係の正常化のみならず、国際社会の平和と安定に大きく貢献するものと確信する。 しかし、父祖伝来の地として受け継いできた北方四島を追われた元島民は、既に6割を超える方々が亡くなられ、存命の方々の平均年齢も86歳を超えており、一刻も早い領土問題の解決が望まれている。 また、元島民の方々をはじめ全ての道民は、日ロ両首脳による領土問題解決に向けた今後の外交交渉の一層の加速と具体的な進展を強く願っている。 そのような中、本年7月のミシュスチン・ロシア首相の択捉島訪問や、9月の東方経済フォーラムでプーチン大統領が発表した、ロシア法令に基づくことを前提とした北方四島を含む地域の経済開発に関する特恵制度の導入は、北方四島に関する我が国の立場と相入れないものであり、平和条約交渉への影響が強く懸念される。 さらには、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて重要な事業である北方四島交流等事業の実施が、昨年度に引き続き見送られたことは大変残念である。 よって、国においては、北方四島の早期返還の実現を求める国民の総意と心情に応え、日ロ両国間において今日までに達成された諸合意に基づいて、早急に北方領土問題を解決し、平和条約を締結するため、強力な外交交渉を一層進めるとともに、特に次の事項につき適切な措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 新型コロナウイルス感染症の影響により、北方領土問題の早期解決に向けた交渉が後退することのないよう、国民世論の結集と高揚並びに国際世論の喚起をはじめ、北方領土教育の充実や、青少年対策を強化するとともに、内閣総理大臣による北方領土視察を実現するなど、北方領土返還要求運動の一層の推進を図ること。 2 「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」に基づく北方領土隣接地域の振興対策等を充実、強化すること。 3 航空機墓参を含む北方四島交流等事業が早期に再開できるよう協議を継続すること。 4 北方四島における共同経済活動に関する協議に当たっては、我が国の法的立場を遵守しながら、領土問題の解決を通じた平和条約の締結につなげること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 外務大臣 文部科学大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 沖縄及び北方対策担当大臣  各通 北海道議会議長 おばた やすのり 意見案第3号 JR二島会社及び貨物会社の経営安定化に関する意見書 3年3定 北海道地方路線問題調査特別委員長  きた りゅういち提出 令和3年10月8日 原案可決 昭和62年4月に国鉄が分割・民営化され、JR7社が発足した際、JR三島会社(北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社)については、発足当初から営業赤字は避けることができないとして、経営安定基金が設けられ、その運用益と固定資産税等の減免措置による負担軽減によって営業赤字を補塡する措置が講じられてきた。 JR北海道においては、これまで様々な増収や経費削減に取り組むなどの経営努力を行ってきているが、鉄道利用者の減少や経営安定基金の運用益の低迷に加え、安全投資や修繕費の増加等により極めて厳しい経営状況が続き、平成28年11月に、単独では維持することが困難な線区を公表した。 これを受け、国は平成30年7月、JR北海道に対して監督命令を発し、経営改善に向けた取組を命じるとともに令和3年3月には日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等を改正し、令和12年度まで経営自立に向けた支援を可能とし、新たな支援パッケージを措置された。 JR北海道では、令和3年度から5年度までの間における1300億円を超える国からの支援を受けながら、経営自立に向けた取組を進めているが、全国を上回るスピードで進む道内の人口減少、さらには、新型コロナウイルス感染症の影響も加わり、鉄道輸送需要の回復を見込むことが困難な状況が続き、これまでにも増して厳しい経営環境となることが見込まれる。 このような中で、発足当初からJR北海道やJR貨物の経営安定のために講じられている固定資産税に係る特例措置が今年度末で期限切れを迎えようとしており、こうした措置が廃止されることになれば、JR北海道等の経営がさらに逼迫し、ひいては路線の廃止や便数の大幅な減少、運賃改定などによって利用者や地域住民への影響が懸念される。 今後ともJR北海道が快適で安全安心な地域交通の足として、また、JR貨物が重要な物流を担う交通機関として、輸送サービスの向上や安全対策を強化していくためには、経営基盤の安定が重要である。 よって、国においては、これまでJR二島会社及び貨物会社の健全な経営を確保するために講じられてきた固定資産に係る特例措置(いわゆる「承継特例」、「二島特例」等)を継続されるよう要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国土交通大臣 各通 北海道議会議長 おばた やすのり