第3回定例会において議員及び委員会から提出のあった案件 意見案 意見案第1号  新型コロナウイルス感染症対策に係る財政措置の充実を求める意見書 2年3定 かさい りゅうじ議員外4人提出  令和2年10月2日 原案可決 新型コロナウイルス感染症については、今なお収束を見通すことが困難な状況にあり、今後とも感染拡大の波をできるだけ緩やかに、ピークを低く抑え生活や経済への影響を小さくしていくことが重要である。 このため、北海道においては、引き続き、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け、「今後の感染拡大に備えた医療提供体制の充実強化」「経済活動の継続と段階的拡大」「社会生活・文化活動の継続と安心の確保」を柱に対策に取り組んでいるところであるが、今後の発熱患者の増加や消費の落ち込みなどの事態に対応するための財源は既に枯 渇状態にあり、その確保が課題となっている。 よって、国においては、地方自治体が地域の実情に応じ、自主的かつ機動的に新型コロナウイルス感染症対策に取り組むことができるよう、次の事項について早急に対策を講ずるよう強く要請する。 記 1 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、地域の実情に応じた対策を講ずるために必要不可欠な財源となっているが、現時点で既に全ての都道府県で不足が見込まれる状況にある上、道内市町村からも増額を求める声があることから増額を図るとともに、配分に当たっては、地方自治体の財政力に十分配慮すること。 また、基金への積立て要件の弾力化や事業期間の延長、繰越し手続の簡素化、実施計画の柔軟な変更を認めるなど、柔軟で弾力的な運用を図ること。 2 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金については、増額を図るとともに、使途拡充や対象期間の延長を含め今後の感染拡大状況に応じ柔軟で弾力的な運用を図ること。 特に、新型コロナウイルス感染症患者の受入れに関わらず受診控え等により医療機関等の経営が一層厳しくなっていることから、医療機関や介護・福祉サービス事業所への経営支援を対象とするなど、地域の実情に応じ柔軟に幅広く活用できるよう制度の見直しを行うこと。 3 令和3年度以降においても、新型コロナウイルス問題が収束するまでの間は、各都道府県が感染拡大の防止対策や経済・雇用情勢等に対して、引き続き迅速かつ的確に対応できるよう、地方団体が必要となる財源を確実に措置するなど、地方自治体の予算編成に支障が生じないよう、その見通しを早期に示すこと。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣  各通 財務大臣 総務大臣 厚生労働大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第2号  防災・減災、国土強靱化対策の継続・拡充を求める意見書 2年3定 総合政策委員長 なかやま ともやす提出 令和2年10月2日原案可決 現在、世界は異常な気候変動の影響を受け各国各地でその甚大な被害を被っている。 我が国でも、豪雨、河川の氾濫、土砂崩落、地震、高潮、暴風・波浪、豪雪など、自然災害の頻発化・激甚化にさらされている。このような甚大な自然災害に事前から備え、国民の生命・財産を守る防災・減災、国土強靱化は、一層その重要性を増しており、喫緊の課題となっている。 こうした状況を受け、国においては、重要インフラの緊急点検や過去の災害から得られた知見を踏まえ、国土強靱化を加速化・進化させていくことを目的に、「国土強靱化基本計画」を改定するとともに、重点化すべきプログラム等を推進するための「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を策定し、集中的に取り組んでいるが、その期限が令和3年3月末までとなっている。 現状では、過去の最大を超える豪雨による河川の氾濫・堤防の決壊、山間部の土砂災害等により多くの尊い命が奪われるなど、犠牲者は後を絶たない。今後起こり得る大規模自然災害の被害を最小限に抑え、迅速な復旧復興へとつながるよう「防災・減災、国土強靱化」はより一層、十分な予算の安定的かつ継続的な確保が必須である。 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 令和2年度末期限の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」及び緊急防災・減災事業債を含めた地方財政措置のさらなる延長と拡充を行うこと。 2 地方自治体が国土強靱化地域計画に基づき実施する対策に必要な予算の総額確保を図ること。 3 災害復旧・災害関連予算の確保や補助対象の拡大を図るとともに、国土強靱化のための財源を安定的に確保するための措置を講ずること。また、その配分に当たっては、社会資本整備の遅れている地方に十分配慮すること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣  各通 国土交通大臣 内閣官房長官 国土強靱化担当大臣 内閣府特命担当大臣(防災) 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第3号  地方自治体のデジタル化の着実な推進を求める意見書 2年3定 総合政策委員長 なかやま ともやす提出 令和2年10月2日 原案可決 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、これまで取り組んできたデジタル化の推進について様々な課題が浮き彫りになった。こうした事態を受け、7月17日に閣議決定された「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」において、我が国をデジタル技術により強靱化させ、我が国経済を再起動するとの考えの下、「国民の利便性を向上させる、デジタル化」「効率化の追求を目指した、デジタル化」「データの資源化と最大活用につながる、デジタル化」「安全・安心の追求を前提とした、デジタル化」「人にやさしい、デジタル化」実現のため、本格的・抜本的な社会全体のデジタル化を進めるとの姿勢を示した。 また、国の第32次地方制度調査会において、地方行政のデジタル化の推進などを盛り込んだ「地方行政体制のあり方等に関する答申」が提出され、社会全体で徹底したデジタル化が進むことで、東京一極集中による人口の過度の偏在の緩和や、これによる大規模な自然災害や感染症等のリスクの低減も期待できるとして、国の果たすべき役割について大きな期待を寄せている。 よって、国においては、地方自治体のデジタル化の着実な推進を図るため、次の事項を実施するよう強く要望する。 記 1 法令やガイドライン等により書面や対面・押印が義務づけられているものについて、可能な限り簡易にオンラインで実現できる仕組みを構築すること。 2 情報システムの標準化・共通化、クラウド活用を促進すること。また、法定事務についても、業務プロセスの標準化を図り、自治体がクラウドサービスを利用できる仕組みを検討すること。 3 令和3年度から4年度に全国の自治体で更新が予定されている自治体情報セキュリティクラウドについて導入時と同様の財政措置を講ずること。 4 今後の制度改正に伴うシステム改修を行う際には、地方の事務処理の実態を正確に把握するとともに、地方公共団体の負担とならないよう十分な人的支援及び財政措置を講ずること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 厚生労働大臣   各通 経済産業大臣 内閣官房長官 行政改革担当大臣 情報通信技術(IT)政策担当大臣 内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度) 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第4号 「手話言語法(仮称)」の制定を求める意見書 2年3定 保健福祉委員長 おきた きよし提出 令和2年10月2日 原案可決 手話は、手指や体の動き、表情を使う独自の語彙や、文法体系を持つ言語であり、ろう者にとって、聞こえる人たちの音声言語と同様に、情報獲得とコミュニケーションの手段として大切に守られてきたものである。 しかしながら、我が国では手話は日本語の習得を妨げるものと誤解され、多くの学校で手話を使うことが制限されてきた長い歴史があった。 国連総会において、平成18年12月に採択された障害者権利条約の第2条に、「「言語」とは、音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をいう。」と定義され、手話が言語に含まれることが明記された。 我が国では、平成23年8月に障害者基本法が改正され、手話が言語であることは明確に位置づけられているものの、この規定だけでは音声言語中心の社会から、ろう者が暮らしやすい社会へと変革する推進力としては不十分であり、手話に関する施策も含めた個別法が必要である。 北海道では、平成30年4月に、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の普及のための施策の基本方針等を定めた手話言語条例を施行したところである。 令和2年8月現在では、道府県や市町村など計357の自治体では同様の条例が制定されているところであるが、このような取組を着実に根づかせるためには、手話が音声言語と対等な言語であることを全国的に広め、ろう者の一層の自立と社会参加の促進のために、手話が言語として認められ、ろう者が日常生活において安心して手話を用いることができる環境整備を目的とした、「手話言語法(仮称)」の制定が必要である。 よって、国においては、「手話言語法(仮称)」を制定するよう強く求める。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 各通 文部科学大臣 厚生労働大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第5号  インフルエンザ流行期における感染症対策の充実を求める意見書 2年3定 保健福祉委員長 おきた きよし提出 令和2年10月2日 原案可決 例年、季節性インフルエンザの流行期には、多数の発熱患者が発生しているが、専門家会議の見解によると、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(コビッドナインティーン)を臨床的に鑑別することは困難であるとされている。 コビッドナインティーンについては、これまで、帰国者・接触者相談センターでの相談を経た上で、帰国者接触者外来で診療という一定のルールの下で、診療・検査が実施されてきているが、今年も、秋冬期には、多数の発熱患者の発生が想定され、外来診療を担う医療機関では、患者の集中等により過度な負担が生じるおそれがある。このため、患者自らが地域のかかりつけ医等を活用するなど、自らが相談・受診先を選択することや、相談先のない者に対し適切な助言が可能な相談機関の確保が必要である。 よって、国においては、次のインフルエンザ流行に備え、コビッドナインティーンへの対策との両立が図られるよう、次の事項について支援措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 休日夜間等も含め、地域の発熱患者が相談から診療、検査までを円滑に実施できるよう、地域における相談機関、診療医療機関の確保に努め、住民への情報提供を積極的に行うこと。 2 発熱患者の診療・検査を実施する医療機関の確保に向けて、施設設備整備や感染防止対策等に関する経費への支援の充実や、感染防護具の十分な供給を実施すること。 1 検体採取の際、飛沫感染のおそれのない検査方法やインフルエンザとコビッドナインティーンを同時に検査できるキットの導入を図るなど、簡易な感染防止対策で実施できる検査手法を導入すること。 4 インフルエンザワクチンの十分な供給量を確保すること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣  各通 総務大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第6号  「新たな資源管理の推進」における本道の実情を反映した対応を求める意見書 2年3定 水産林務委員長 みよし まさし提出 令和2年10月2日 原案可決 国は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の両立を目指し、平成30年12月、「漁業法等の一部を改正する等の法律」を公布し、本年12月1日に施行されることとなっている。 法改正により、資源管理に関しては、TAC魚種の追加や個別の漁獲割当て制度により管理を強化するとしており、今般、国は、今後の具体的な道筋を示す、新たな資源管理の推進に向けたロードマップを公表したところである。 このロードマップでは、資源評価の充実、精度向上に取り組みつつ、クロマグロやスケトウダラなど現在8魚種で実施しているTAC管理を漁獲量ベースで8割まで拡大することを目標に、漁獲量の多いものを中心に新たに15魚種について、MSY(最大持続生産量)を基本とする資源評価により、TAC管理を順次検討・実施する資源(魚種)として公表し、令和5年度までの実施に向け推進する内容となっている。 TACにより資源を適正に管理するためには、資源量や漁獲量をより正確に把握した上で資源評価の精度向上はもとより、地域の漁業実態を十分考慮することが重要であるが、道内では、現在においても特にクロマグロなどのTAC管理においては、多種多様な魚種を様々な漁法により漁獲している本道漁業の特性から、数量管理における課題が多く、関係漁業者の十分な理解と必要な支援措置を含めた検討のもとに、慎重な対応が求められるところである。 また、これまで道内沿岸漁業者と沖合漁業者が協調して自主的な資源管理に取り組み、近年、資源回復の兆しが見られている事例もあり、これらの取組成果も十分考慮した対応が求められるところである。 よって、国においては、漁業者の理解をさらに深めるとともに、引き続き十分に意見を聴取した上で、本道の漁業実態や漁場利用の実情が反映されるよう、次の事項について要望する。 記 1 今後の資源管理の枠組みについて、現場の漁業者の十分な理解と納得が得られるよう、さらに丁寧な説明に努めるとともに、本道漁業の実情や漁業者の意見を的確に反映させること。 2 TAC魚種追加の検討に当たっては、科学的見地から、魚種ごとの資源評価の精度向上はもとより、漁業者の意見を丁寧に聞いた上で、十分な議論がなされないまま取り進めることなく、必要な準備が整うまで慎重を期すこと。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長  各通 内閣総理大臣 農林水産大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第7号  少人数学級の拡充を求める意見書 2年3定 文教委員長 かさい りゅうじ提出 令和2年10月2日 原案可決 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が全面的に解除され、道内の学校においては授業が再開されたところである。 一方、公立小中学校の普通教室の平均面積は64㎡であり、現在の40人学級では、新型コロナウイルス感染症予防のために必要とされる児童生徒間の十分な距離の確保が困難であり、その対応が学校現場において大きな課題となっている。 本年9月8日に行われた政府の教育再生実行会議においても、少人数学級を進めてほしいとの意見が出され、萩生田光一文部科学大臣から少人数学級に対して、令和のスタンダードとしての新しい学びの姿であり、多くの人が方向性として共有できる課題である旨の発言もあった。 こうした実情を踏まえて、今後予想される新型コロナウイルス感染症の再拡大時にあっても、必要な教育活動を継続して子どもたちの学びを保障するとともに、子どもたち一人一人に、主体的、対話的で深い学びの実現を図り、社会で自立するために必要な資質能力を育むための少人数学級の拡大がぜひとも必要である。 よって、国においては、少人数学級の拡充を実現するため、教職員定数の改善の実現を強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣  各通 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第8号  北方領土問題の解決促進を求める意見書 2年3定 北方領土対策特別委員長 まつうら むねのぶ提出 令和2年10月2日 原案可決 我が国固有の領土である歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の返還の実現は、戦後残された最大の国家課題であり、全国民の永年の悲願である。 しかし、戦後75年を経た今もなお、北方四島は返還されず、日ロ両国間に平和条約が締結されていないことは誠に遺憾である。 日ロ両国間における政治対話を促進し、様々な分野での交流を拡大して相互理解を深め、北方領土問題を解決して平和条約を締結することは、両国間関係の正常化のみならず、国際社会の平和と安定に大きく貢献するものと確信する。 しかし、父祖伝来の地として受け継いできた北方四島を追われた元島民は、既に6割を超える方々が亡くなられ、存命の方々の平均年齢も85歳を超えており、一刻も早い領土問題の解決が望まれている。 また、元島民の方々をはじめ全ての道民は、日ロ両首脳による領土問題解決に向けた今後の外交交渉の一層の加速と具体的な進展を強く願っている。 そのような中、9月29日の日ロ首脳電話会談では、平和条約交渉を継続する方針で一致したものの、具体的な進展は見られず、道民はもとより元島民や返還要求運動関係者をはじめとした、国民の切なる願いが実現に至っていない。 さらには、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画されていた令和2年度の北方四島交流、北方墓参及び自由訪問の全ての事業が実施されなかったことは極めて残念である。 よって、国においては、北方四島の早期返還の実現を求める国民の総意と心情に応え、日ロ両国間において今日までに達成された諸合意に基づいて、早急に北方領土問題を解決し、平和条約を締結するため、強力な外交交渉を一層進めるとともに、特に次の事項につき適切な措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 新型コロナウイルス感染症の影響により、北方領土問題の早期解決に向けた交渉が後退することのないよう、国内世論の喚起や北方領土教育の充実をはじめ、青少年対策の強化など、北方領土返還要求運動の一層の推進を図ること。 2 「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」に基づく北方領土隣接地域の振興対策等を充実、強化すること。 3 令和3年度の北方四島交流事業、北方墓参事業及び自由訪問事業を確実に実施できるよう、感染症対策を含め必要な取組を行うとともに、元島民の方々のための人道的措置として、航空機墓参の恒常化をはじめ、さらなる改善策を取ること。 4 北方四島における共同経済活動に関する協議に当たっては、我が国の法的立場を遵守しながら、領土問題の解決を通じた平和条約の締結につなげること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 外務大臣  各通 文部科学大臣 農林水産大臣 国土交通大臣 沖縄及び北方対策担当大臣 北海道議会議長 むらた のりとし