第3回定例会において議員及び委員会から提出のあった案件 意見案 意見案第1号  国会における憲法論議についての意見書 元年3定 たなか よしのり議員ほか5人提出     令和元年10月4日 原案可決  国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本原則とする日本国憲法は、昭和22年5月3日の施行以来、国民の福祉、国家の発展に大きな役割を果たしてきた。  一方で、憲法施行当時と比較して、我が国を取り巻く国内外の諸情勢は、大きく変化しているものの、今日に至るまでの70年を超えるこの間、一度も改正が行われていない。  このような状況の中、我が国においては、平成19年に「日本国憲法の改正手続に関する法律」が成立し、これに伴い、衆参両院に、憲法改正原案等を審査する憲法審査会が設置され、憲法第96条に定める改正のための国民投票が可能となったところではあるが、国民による議論が進展しているとは言いがたい状況にある。  新しい時代にふさわしい国家のあり方を構想し、主権者である国民において幅広く議論されるよう努めることは、憲法改正の発議権を有し、国権の最高機関として国民から国政を負託されている国会の責務である。  よって、国においては、日本国憲法について、国民の広範な理解が得られるよう、国会の憲法審査会で丁寧な議論を進めるよう求める。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。   令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣   総務大臣 法務大臣 内閣官房長官 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第2号  診療報酬を引き下げず、地域医療を守ることを求める意見書 元年3定 保健福祉委員長  おきた きよし提出     令和元年10月4日 原案可決  2019年度の診療報酬の改定では、診療報酬本体部分は0.41%の引き上げとなったものの、薬価はマイナス0.51%の引き下げとなった。  安心・安全の医療を国民に安定して提供するためには、医療の質を損なわないよう、診療報酬の適正な水準を確保することが必要であり、必要な報酬が確保されてこそ、医療機関の経営が守られ医療提供体制が整えられて、国民生活を支えることができるものである。  また、公立病院は、都市部から離島・僻地まで存在し、民間医療機関では対応することが困難な医療に積極的に対応するなど、地域における基幹病院としての役割を担っているため、経営は一層厳しいものとなっており、医師・看護師不足のために、一時的に閉鎖している病床を、将来にわたって閉鎖を固定化する事態も懸念される。  道内医療機関における病床削減は、出産のできる医療施設や救急医療の受け入れ施設が減少している現状に拍車をかけることにもつながりかねない。  よって、国においては、地域医療を守り、国民医療の充実を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 診療報酬の引き下げは行わず、適正な水準を確保すること。 2 公立病院の運営に対する地方財政措置の充実・確保を図ること。 3 地域の医療需要を満たす医療提供体制を構築すること。 4 医師・看護師等医療人材の確保を図ること。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 厚生労働大臣 規制改革担当大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし  意見案第3号 北方領土問題の解決促進等に関する意見書 元年3定 北方領土対策特別委員長  まつうら むねのぶ提出 令和元年10月4日 原案可決  我が国固有の領土である歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の返還の実現は、戦後残された最大の国家課題であり、全国民の永年の悲願である。  しかし、戦後74年を経た今もなお、北方四島は返還されず、日ロ両国間に平和条約が締結されていないことはまことに遺憾である。  日ロ両国間における政治対話を促進し、さまざまな分野での交流を拡大して相互理解を深め、北方領土問題を解決して平和条約を締結することは、両国間関係の正常化のみならず、国際社会の平和と安定に大きく貢献するものと確信する。  しかし、父祖伝来の地として受け継いできた北方四島を追われた元島民は、既に6割を超える方々が亡くなられ、存命の方々の平均年齢も84歳を超えており、一刻も早い領土問題の解決が望まれている。  また、全ての道民も、日ロ両首脳による領土問題解決に向けた今後の外交交渉の一層の加速と具体的な進展を強く願っている。  そのような中、本年9月5日の日ロ首脳会談では、平和条約締結問題については、未来志向で作業することが再確認され、交渉を継続する方針で一致したものの具体的な進展は見られず、道民はもとより元島民や返還要求運動関係者を初めとした、国民の切なる願いが実現に至らなかったことは、まことに残念と言わざるを得ない。  よって、国においては、北方四島の早期返還の実現を求める国民の総意と心情に応え、日ロ両国間において今日までに達成された諸合意に基づいて、早急に北方領土問題を解決し、平和条約を締結するための強力な外交交渉を進めるとともに、特に次の事項につき適切な措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 国民世論の結集と高揚並びに国際世論の喚起や北方領土教育の充実を初め、青少年対策を強化するとともに、内閣総理大臣による北方領土隣接地域からの北方領土視察を実現するなど、北方領土返還要求運動の一層の推進を図ること。 2 「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」に基づく北方領土隣接地域の振興対策等を充実、強化すること。 3 北方四島交流事業、北方墓参事業及び自由訪問事業の円滑な実施を図るとともに、四島交流の拡充を通じ、双方の協力を高め、信頼関係を強化すること。 4 北方四島における共同経済活動に関する協議に当たっては、我が国の法的立場を遵守しながら、領土問題の解決を通じた平和条約の締結に結びつけること。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 外務大臣  文部科学大臣 農林水産大臣 国土交通大臣 沖縄及び北方対策担当大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第4号  タクシー運賃の自動認可運賃及び公定幅運賃の早期改定認可を求める意見書 元年3定 新幹線・総合交通体系対策特別委員長 なかつかさ てつお提出     令和元年10月4日 原案可決  北海道では、全国を上回るスピードで人口減少、少子高齢化が進展しており、地域における移動手段の確保が喫緊の課題となっている。  国においては、地方圏の活力を維持し、人々が安心して暮らすことができるよう、医療、福祉、買い物支援など生活機能の確保を図るため、地域の交通と一体となったまちづくりの推進など、各般の交通政策を推進している。  とりわけ、タクシーは、地域住民をドア・ツー・ドアで目的地へ運ぶ唯一の公共交通機関として重要な役割を果たしており、インバウンド拡大に伴う駅や空港からの2次交通はもちろん、今後、超高齢化社会を迎える中、運転免許の返納等による高齢者の通院や買い物での利用、あるいは市町村や福祉施設等のデマンドタクシーの運行を担うなど、地域にとって欠かすことができない存在となっている。  こうした中、本年8月30日に10月1日からの消費税率引き上げに伴う新たな運賃が公示されたが、その内容は全国一律で消費税転嫁分のみの改定となっており、通常の運賃 改定は、消費者への負担感の増大などを考慮し継続審議となった。  しかしながら、運転手や人件費の確保を初め、タクシー事業者を取り巻く環境は、燃料費高騰、車両更新などで費用負担がかさみ、年々厳しさを増している。  よって、国においては、各地域の公共交通機関として重要な役割を担うタクシー事業の持続的かつ安定的な運営を図るためにも、今般見送られた通常の運賃改定を速やかに行うとともに、運賃改定ごとにタクシーメーターの改修等の費用が生じることから、その費用に対する支援についても強く要望する。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣  国土交通大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第5号  地域医療構想に関する意見書 元年3定 保健福祉委員長  おきた きよし提出     令和元年10月4日 原案可決  先月26日に開催された「地域医療構想に関するワーキンググループ」において、診療実績データ等による分析の結果として、診療実績が特に少ない、または、医療機能が類似し、かつ近接しているとされた公立・公的医療機関等が公表され、道内からは54の医療機関が対象となった。  公表された医療機関においては、地域で担うべき役割や医療機能別の病床数等に係る具体的対応方針が、他の医療機関の診療実績や将来の医療需要等を踏まえ、地域医療構想に沿ったものとなっているか再検証することが求められ、その結論を来年9月までに得ることとされている。  人口減少が進む中、地方創生に取り組む地域にとって、医療は欠くことのできない社会基盤であり、本道においては、地域医療構想のもとで、急性期機能の集約化や医療機関の再編・統合など、効率的な医療提供体制の構築を図るべく、地域の関係者が連携し、さまざまな議論を積み重ねている状況にある中、特定のデータ、全国一律の基準による分析によって、個別の医療機関に再編・統合の検討を求める方法は、地域の実情に対する配慮を欠き、地域の議論に停滞や混乱をもたらしかねない。  よって、国においては、今般の分析の趣旨や取り扱いについて十分に説明責任を果たすとともに、医療機関が再検証した内容については地域の意向として尊重し、結論を得る時期についても地域の実情を踏まえて柔軟に対応することを強く要望する。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。  令和  年  月  日 衆議院議長  参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 厚生労働大臣 規制改革担当大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第6号  「北海道における持続的な鉄道網の確立」への対応を求める意見書 元年3定 北海道地方路線問題調査特別委員長  きた りゅういち提出     令和元年10月4日 原案可決  昭和62年4月に国鉄が分割民営化されJR各社が発足してから32年が経過し、国においては、分割民営化により、効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面においても、JR本州3社に続き、JR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるとしている。  しかしながら、JR北海道及びJR四国においては、分割民営化に際し、経営の安定を図るために設けられた経営安定基金が、低金利下において営業損失を補うに十分な運用益を得られておらず、基金の実質的な積み増しや設備投資に対する助成や無利子貸し付けといった追加支援を実施してもなお、経営の安定化が図られていない状況にある。  こうした状況において、国は、平成30年7月にJR北海道に対する監督命令を発し、経営改善に向けた取り組みを命ずるとともに、令和2年度まで、400億円台の支援を行うことを決定したものの、いわゆる黄色線区の支援に関しては、地方に同水準の負担を求めているが、国鉄改革の目的が達せられていない中、国と地方が同水準の支援を行うとする地域公共交通活性化再生法の枠組みで事業範囲の見直し問題を議論することは適切ではなく、JR北海道の経営問題として捉え、引き続き、経営に強い権限を有する国が中心的な役割を担い、道内各地を結ぶ路線の維持を図りながら、JR北海道の経営自立を果たしていく必要がある。  また、北海道における鉄路は、地域住民や観光客等を道内各地に運ぶ旅客輸送のみならず、全国各地をネットワークで結び、低コストで安定的に輸送可能な物流基盤として大変重要な役割を担っており、我が国の食料供給基地である北海道から新鮮な農畜産物を全国に移出するほか、宅配品や書籍といった道民の生活必需品を道内に移入するなど、北海道の鉄路が国民生活の利便性向上に大きな役割を果たしていることを踏まえた対応が求められている。  よって、国においては、令和3年度以降のJR北海道に対する支援の構築に当たって、次の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 国鉄改革の目的である株式上場を果たしていない現状や数次にわたる支援の経過を踏まえ、引き続き、国の責任において、JR北海道に対する支援を行うこと。 2 国家的な公共インフラである青函トンネルの維持管理や、積雪・寒冷対策など、本道の特殊性に対応して、国の負担のあり方を抜本的に見直すこと。 3 国家戦略の推進に必要な交通ネットワークを維持・形成する観点から、2次交通の維持・充実を図るスキームを構築すること。 4 新千歳空港の発着枠拡大や道内空港の一括民間委託などインバウンドを初めとする来道者の拡大の動きに対応するために必要となる大規模な構想やプロジェクトに対しては、国家的見地から、大規模な支援を行うこと。 5 JR北海道の経営自立に向けて、北海道新幹線の高速化をできる限り早期に実現するとともに鉄道貨物が本道の農産品の移出のみならず、全国各地からの道民の生活必需品の移入にも活用されている現状を十分勘案し、北海道と本州間における物流の確保を図るためのあらゆる方策を講ずること。 6 JR上場4社による新たな基金の設置やJR上場4社の法人税を活用した支援スキームの構築など、支援資金確保のための抜本的な対策を講ずること。 7 JR北海道が地域との確かな信頼関係のもと事業を行うよう、適切な指導を行うこと。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長  参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 国土交通大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし