第1回定例会において議員及び委員会から提出のあった案件 意見案 意見案第1号  新型コロナウイルス感染症対策の充実を求める意見書 2年1定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年3月25日 原案可決   新型コロナウイルス感染症は、本年1月28日に道内でも初めての患者が発見されて以降、多くの患者が発生している状況にある。 これまで、北海道においては、国との連携のもと、患者の発生と感染拡大を防止するため、できる限りの対策を講じてきたところであり、PCR検査や医療提供体制の整備はもとより、国に先行した小・中学校の一斉休業や緊急事態を宣言し、週末の外出自粛要請や、人が大勢集まる場所や換気の悪い場所を避けるなど、道民への呼びかけを実施してきているが、感染拡大の不安はいまだ払拭されているとは言えない状況にある。 また、このたびの感染拡大により、国内外の旅行需要が大きく落ち込んだことに加え、外出の手控えなどに伴い、飲食サービスや小売業の売り上げが大幅に減少しているほか、休業期間中の雇用の維持や従業員の生活安定など、さまざまな分野に影響が広がっており、北海道観光や物産に対する風評被害も懸念されている。 加えて、休業期間の長期化に伴い仕事を休まざるを得ない方々への所得保障や、子どもたちへのサポートなど、早急に手だてを講じなければならない課題が次々に生じており、新型コロナウイルス感染症は、社会全体で克服すべき問題となっている。 よって、国においては、国家的な感染症危機管理の視点に立ち、国民の生命と健康及び財産を守り、不安を解消するため、次の事項について十分な予算措置を行い、早急に対策を講ずるよう強く要請する。 記 1 新型コロナウイルスや基本的な感染症予防策に係る正しい知識を広く国民に周知し、冷静な対応を呼びかけるとともに、重症化しやすいとの指摘がある高齢者や基礎疾患を有する方々に対する情報提供や必要な支援を行える体制を整備し、その不安の解消を図ること。 2 地方自治体、医療機関が行う検査体制の強化や医療体制整備に係る人的支援や財政措置の充実を図るとともに、検査試薬やマスク、ゴーグル、消毒薬等の医療資材を早期に確保すること。また、福祉関係職場への資材についても同様に確保すること。 3 簡易で迅速な診断キットの早期開発や感染の拡大防止に有効であるワクチンを早急に開発すること。 4 地域経済への影響を最小限にするため、緊急かつ万全な中小・小規模企業への金融支援対策を実施するとともに、業種職種を問わず、個人事業主を初め、あらゆる事業者・労働者への支援策の充実や採用内定取り消しの防止、また、消費喚起、観光需要の回復に向けた総合的な対策を講ずること。 5 観光や食の「北海道ブランド」の回復に向け、これ以上の風評被害が生じないようエビデンスに基づく正確な情報発信を行うとともに、地域における取り組みを支援すること。 6 新学期から円滑に学校が再開し、安全・安心の中で児童生徒がもとの学校生活を送ることができるよう、児童生徒の心身のケアや学習活動等に必要な支援や情報提供を行うこと。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 経済産業大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第2号 中高年のひきこもりに対する実効性ある支援と対策を求める意見書 2年1定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年3月25日 原案可決 従来、ひきこもりは主として若年・青年層の課題としてイメージされてきた。しかし最近では、就職氷河期世代も含め中高年層に及ぶ大きな社会問題としてクローズアップされてきている。 国が中高年層を対象に初めて実施した全国規模の調査が、昨年3月公表されたが、40歳から64歳までのひきこもりが全国で約61万人に上るという推計は社会に大きな衝撃を与えた。ひきこもり期間の長期化や高齢化により、高齢者の親とともに社会的に孤立するケースも少なくない。 国としては、これまで都道府県・政令市への「ひきこもり地域支援センター」の設置や「ひきこもりサポーター養成研修・派遣事業」を行ってきたが、今後は、より身近な場所での相談支援の実施や社会参加の場の充実など、就職氷河期世代も含めた中高年のひきこもりに対して、これまで以上に実効性ある支援と対策を講ずるべきである。 よって、国においては、中高年のひきこもりは、個々人やその家族だけの問題ではなく、社会全体で受けとめるべき大変重要な課題と捉え、次の事項について早急に取り組むよう強く求める。 記 1 より身近な場所での相談支援を行うため、自立相談支援機関の窓口にアウトリーチ支援員を配置し、同行相談や信頼関係の構築といった対本人型のアウトリーチ支援を行う事業が創設されたが、時限となっていることから、恒久的な財政措置とすること。 2 中高年のひきこもりにある者に適した支援の充実を図るため、中高年が参加しやすくなるような居場所づくりやボランティア活動など就労に限らない多様な社会参加の場を確保するなど、市区町村による「ひきこもりサポート事業」のさらなる強化を図ること。さらには、家族に対する相談や講習会などの取り組みを促進すること。 3 「8050問題」など世帯の複合的なニーズやライフステージの変化に柔軟に対応できるよう、「断らない相談支援」や「伴走型支援」など、市区町村がこれまでの制度の枠を超えて包括的に支援することができる新たな仕組みを構築すること。  以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣   厚生労働大臣 各通 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第3号 地球温暖化対策の推進を求める意見書 2年1定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年3月25日 原案可決 近年、世界各地で豪雨や猛暑などの異常気象による災害が頻発している。本道においても、2016年に台風が相次いで上陸・接近したほか、2019年には北海道の観測史上、初めて最高気温が39度台を記録するなど、気候変動による影響が道民生活や基幹産業である農林水産業、自然生態系など幅広い分野に影響が及ぶことが懸念されている。 こうした気候変動は、地球温暖化が一因ともされており、2015年に採択された新たな国際的枠組みである「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保つことを世界共通の目標としたほか、2018年に公表された、国連の気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの特別報告書では、気温上昇を2度よりリスクの低い1.5度に抑えるためには、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることが必要とされた。 こうした中、国は、2019年に策定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」において、最終到達地点としての「脱炭素社会」を掲げ、今世紀後半のできるだけ早期に実現することとし、地方自治体に対し2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロとすることを目指す旨の表明を呼びかけている。 呼びかけに応じた地方自治体がその目標を達成するためには、地域の特性に応じて、省エネルギーや再生可能エネルギー導入の促進など従来行ってきた取り組みの一層の推進及び二酸化炭素の分離・回収・再利用といった国の成長戦略に掲げる革新的な環境イノベーションなどを地域において積極的に展開することが必要であり、国は、その取り組みを全面的に支援し、排出量実質ゼロを実現させるべきである。 よって、国においては、長期戦略を着実に進めるために、地域における積極的な取り組みを財政面及び技術面から力強く支援するよう要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣   経済産業大臣 環境大臣   各通 北海道議会議長 むらた のりとし