第2回定例会において議員及び委員会から提出のあった案件 意見案 意見案第1号  新型コロナウイルス感染症対策の強化等を求める意見書 2年2定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年7月3日 原案可決  新型コロナウイルス感染症の全国的な広がりの中、政府が全都道府県を対象として発令した緊急事態宣言のもと、各都道府県においては、検査・医療提供体制の確保をはじめ、緊急事態措置による外出自粛や休業要請等の住民・関係者が一丸となった取組を進め、5月25日には全都道府県において緊急事態宣言が解除された。 北海道においては、2月中旬からの患者の急増に引き続き、第2波ともいえる感染拡大を経験してきており、今後においては、これまでの経験を生かしながら、感染症対策と社会経済活動を両立させていくこととしている。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期化することも見込まれているところであり、検査体制・医療提供体制のさらなる充実のほか、重篤化のリスクが高い方が多く利用する社会福祉施設におけるクラスター対策等、現下の感染症を確実に抑え込みつつ、次なる感染拡大の波に確実に対応できるよう準備を進める必要がある。 また、外出の自粛や観光客の減少などにより、宿泊・旅行業、飲食業をはじめとしたサービス業を中心に消費が著しく減退し、製造業などでも部品・原料調達ができないことによる受注・販売機会の損失の発生が見られるなど、道内の中小・小規模企業の経営環境は大変に厳しい状況にあり、さらに雇用の維持や従業員の生活安定など様々な方面に関しても一段と厳しさを増しつつある。 よって、国においては、より一層スピード感を持った対応が必要であることから、次の事項について早急に対策を講ずるよう強く要請する。 記 1 新たな検査方法への対応を含め、検査体制整備への取組に対する財政的支援を継続するとともに、簡易検査キットの開発を含め、検査対象基準の見直し等、さらなる検査体制の充実を図ること。 2 次の流行の波に備え、医療機関や社会福祉施設等の医療・介護従事者に対する支援を充実するとともに、感染防護に必要なマスクやゴーグル、防護服等の資機材の確保や計画的な備蓄など、再流行期に不足が生じないよう、国の責任において確保すること。 3 国際社会と連携し、感染拡大防止に有効であるワクチンや治療薬を開発し、早期に供給すること。 4 住民からの相談対応や検体・患者搬送、積極的疫学調査等、多岐にわたる保健所の感染対策業務に係る経費に対する財政措置を充実すること。5 新型コロナウイルス感染症患者の受入れに当たり、一般病棟の休止や救急患者の受入れ停止などにより、大幅な減収を余儀なくされている。また、疑い患者の有無にかかわらず、多くの医療機関において収益が低下しており、経営への大きな影響は避けられない状況となっていることから、減収となった医療機関に対するさらなる財政的支援を行うこと。 6 社会福祉施設等でクラスターが発生した場合においても、必要なサービスが提供できるよう、介護職員等の応援体制の構築や職員の確保・定着のための継続的な財政支援を行うこと。 7 感染症の影響が長期化し、個人事業主や中小企業の経営悪化が深刻化する中、緊急かつ万全な中小・小規模企業への金融支援対策や各種税の支払い等に関する柔軟な対応、また、業種職種を問わず、個人事業主をはじめ、あらゆる事業者・労働者への支援策の充実や新規学卒者等の採用に対する特段の配慮など、当面の事業継続・雇用維持に万全の対応を行うこと。 8 地域の中小企業の需要喚起に向けた取組を感染収束の各段階に応じ効果的に行うとともに、国による「GoToキャンペーン」を効果的な事業とするため、時期を逸することなく実施するほか、制度設計に当たっては、これまでの感染状況やそれに起因する地域経済への影響を踏まえること。 9 緊急事態宣言の発出に伴う外出の自粛により、観光業や飲食業をはじめ事業者に多大な影響が生じていること、さらには休業要請に応じた事業者は大きな売上減少に直面したことから、宣言を発出した国の責任のもと事業者への損失補償を行うこと。 10 北海道においては、学校の臨時休業が長期化したことから、その影響を受けた子どもたちに対し、学びの保障に向けたICT機器の整備、人的支援、衛生用品の確保など、優先的な環境整備を行うこと。 11 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による景気低迷等に伴い、国税や地方税について、大幅な減収が見込まれることから、地方自治体の財政運営に支障が生じないよう、十分かつ確実な財源措置を講ずること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 各通 総務大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 経済産業大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第2号 地方財政の充実・強化を求める意見書 2年2定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年7月3日 原案可決 今、地方自治体には、医療・介護などの社会保障への対応、子育て支援策の充実、地域交通の維持・確保など、より多様化・複雑化した行政需要への対応が求められている中で、近年多発している大規模災害やそのための防災・減災対策の実施、また新たに発生している新型コロナウイルス感染症対策など、緊急な対応を要する課題にも直面している。 とりわけ、新型コロナウイルス感染症に対しては、いまだ収束のめどは見通せないどころか長期化が予想される状況になっている。このため、各自治体では住民の命と生活を守るために感染拡大防止対策や地域経済対策、雇用対策など様々な対策が取られており、今後の状況変化をにらみ国の責任において、さらなる追加の予算措置を含めた対応が必要不可欠である。 一方で、地方の一般財源総額について、政府はいわゆる「骨太方針2018」で、令和3年度の地方財政計画まで、平成30年度の地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとされており、実際に令和2年度地方財政計画の一般財源総額は63兆4318億円、前年比プラス1.2%と、過去最高の水準となった。 しかし、人口減少・超高齢化に伴う社会保障費関連などの財政需要の増加に加え、引き続き、新型コロナウイルス感染に係る継続的な対策も見込まれることから、さらなる地方財政の充実・強化が求められている。 よって、国においては、令和2年度補正予算及び令和3年度当初予算の編成と地方財政計画の策定に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立を目指すよう、次の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 地方財政計画の策定に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響による税収等の減や感染症及び経済対策に要する財政需要の増を確実に反映させるとともに、社会保障、防災、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これらに柔軟に対応し得る地方一般財源総額の確保を図ること。 2 新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度及び令和3年度において、地方税の大幅な減収が見込まれることから、減収補塡債の対象税目を拡大するなど、確実な減収補塡措置を講ずること。 3 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」及び「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、今後の状況変化を踏まえ、検査体制及び医療提供体制の強化等、引き続き、国の責任において、追加の予算措置を講ずること。 4 子育て、地域医療の確保、介護や児童虐待防止、生活困窮者自立支援など、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障関連予算の確保及び地方財政措置を的確に行うこと。 5 令和3年度以降の会計年度任用職員制度における財政需要のさらなる増加については、地方財政計画の歳出に確実に計上すること。 6 地方交付税における「業務改革の取組等の成果を反映した算定(トップランナー方式)」は、人口規模の違いなど地域の実情を踏まえたものとすること。また、同方式により生み出された財源は、地方の行財政改革の効果であり、必ず地方に還元すること。 7 「まち・ひと・しごと創生事業費」として確保されている1兆円について、引き続き同規模の財源を確保すること。 8 森林環境譲与税の譲与基準については、地方団体と協議を行い、林業需要の高い自治体への譲与額を増大させるよう見直すこと。 9 地域間の財源の偏在性の是正のため、引き続き、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むこと。 また、各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることがないよう対応を図ること。 10 財政基盤の脆弱な地方自治体における過疎地域の自立促進に向けて計画的・効果的な事業が実施できるよう、新たな過疎法の制定に当たっては、一部過疎も含めた現行の過疎地域を引き続き対象とすることを基本としつつ、過疎地域の現状を適切に反映するよう要件設定すること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 各通 厚生労働大臣 経済産業大臣 内閣官房長官 経済財政政策担当大臣 地方創生規制改革担当大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第3号 令和2年度北海道最低賃金改正等に関する意見書 2年2定 かさい りゅうじ議員ほか4人提出 令和2年7月3日 原案可決 令和元年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、最低賃金については、年率3%程度を目途として、景気や物価動向を見つつ、地域間格差に配慮しながら、より早期に全国加重平均が1000円になることを目指すとされており、北海道地方最低賃金審議会においても、当該方針等に配慮した答申がなされ、これらを踏まえ令和元年度の本道最低賃金は861円に改定された。 近年、最低賃金は毎年引き上げられているものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済情勢・雇用環境の悪化や、最低賃金制度が道内労働者の有効なセーフティーネットとして十分に機能するための事業所に対する指導監査の強化及び最低賃金制度の履行の確保が極めて重要な課題となっている。 よって、国においては、令和2年度の北海道最低賃金の改正に当たり、次の措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 最低賃金については、経済の好循環の実現を図るため、より早期に全国加重平均が1000円になることを目指すとの方針を堅持しつつ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、厳しい経営環境に置かれている中小企業、小規模事業者に十分に配慮した上で、最低賃金の引上げを検討すること。 2 道内事業所に対する指導監督を強化するなどし、最低賃金制度の確実な履行を図ること。 3 最低賃金の引上げを行う場合は、深刻な人手不足が生じている本道の労働市場の状況を十分に踏まえて、中小企業、小規模事業者が行う生産性の向上に資する設備投資などの取組を強力に支援するとともに、安定的で継続的な経営が可能となる対策を講ずること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 各通 財務大臣   厚生労働大臣 北海道労働局長 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第4号 北海道内における大学入学共通テスト会場の複数設置に関する意見書 2年2定 かさい りゅうじ議員外4人提出 令和2年7月3日 原案可決 令和3年度の大学入学共通テストが、令和3年1月16日及び17日に実施されることが決まった。 従来の大学入試センター試験では、東日本と西日本の2地区で追試験を実施していたが、入学志願者が新型コロナウイルス感染症の影響に伴う学業の遅れや、同感染症に罹患した場合等にも対応できる選択肢を確保するため、令和3年1月30日及び31日にも学業の遅れを理由に当該日程を選択する者を対象とするとともに、令和3年1月16日及び17日の試験を疾病等の理由で受験することができなかった者の追試験として実施することとし、全都道府県に試験場を設置することも発表された。 大学入学共通テストの実施に際し、広域分散型の特徴を有する北海道においては、他都府県と比べ、受験生及び保護者の時間的・経済的な負担が過大となる。 よって、国においては、1月30日及び31日実施の大学入学共通テストを北海道内の複数箇所で実施されるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 各通 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第5号 林業・木材産業の成長産業化に向けた施策の充実・強化を求める意見書 2年2定 水産林務委員長 みよし まさし提出 令和2年7月3日 原案可決 本道の森林は全国の森林面積の約4分の1を占め、国土保全、地球温暖化防止、林産物の供給等の多面的機能の発揮が期待されており、これらの機能を十分に発揮させるためには、「植えて育てて、伐って使って、また植える」といった森林資源の循環利用を進める必要がある。 森林の整備を進め、木材を積極的に利用していくことは、山村地域を中心とする雇用・所得の拡大による地方創生にも大きく貢献するものである。 道では、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の循環利用の実現に向け、森林整備事業及び治山事業や林業成長産業化総合対策事業等を活用し、植林・間伐や路網の整備、山地災害の防止、木造公共施設の整備、林業事業体の育成など、様々な取組を進めてきたところである。 人工林資源が本格的な利用期を迎える中、計画的な間伐や伐採後の着実な植林を一層進めるため、地方債の特例措置を継続するなど、森林資源の循環利用による林業・木材産業の成長産業化の実現に向けて施策の充実・強化を図ることが必要である。 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 森林の多面的機能を持続的に発揮し、林業・木材産業の振興と山村における雇用の安定化を図るため、森林整備事業及び治山事業の財源を十分かつ安定的に確保すること。 2 間伐、植林、種苗生産等を着実に進めるため、「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」を延長し、同法に基づく森林整備事業の都道府県・市町村負担分の起債を可能とする地方債の特例措置を継続すること。 3 森林資源の循環利用を通じて林業・木材産業の成長産業化を実現するため、地域の実情を十分に踏まえ、森林整備から木材の加工・流通、利用までの一体的な取組や森林づくりを担う林業事業体や人材の育成に必要な支援措置を充実・強化すること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 各通 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 復興大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第6号 国土強靱化に資する道路の整備等に関する意見書 2年2定 建設委員長 むらき あたる提出 令和2年7月3日 原案可決 北海道は、豊かで美しい自然環境や広大な大地と海に育まれた豊富で新鮮な食など、多様な魅力を有しており、国内外より訪れる観光客の増加が続いていたが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本道の経済は食産業や観光業、農林水産業など幅広い分野において、大きな打撃を受けている。 今後は、感染抑制のための取組を継続しながら、経済活動との両立を図ることや復興に向けた取組を加速することが必要であり、そのためには、北海道の強みである「食」や「観光」に関連する地域(生産空間)が持つ潜在力が最大限発揮されるよう、生産性の向上に資する高規格幹線道路ネットワークの早期形成や機能向上が必要不可欠である。 また、本道は近年、豪雨、暴風雪、地震、津波などの自然災害時に発生する交通障害、多発する交通事故、道路施設の老朽化など、様々な課題を抱えている。加えて、本州に比べ積雪寒冷の度合いが特に甚だしく、除排雪等に要する費用も多額となっている。 こうした中、地方財政は依然として厳しい状況にあることから、国と地方の適切な役割分担のもと、道路整備・管理に必要な予算を安定的かつ継続的に確保することが重要である。 よって、国においては、国土の根幹をなす高規格幹線道路から住民に最も密着した市町村道に至る道路網の計画的・体系的整備の必要性や、新型コロナウイルス収束後の物流・観光をはじめとする経済活動の復興における道路の重要性などを踏まえ、より一層の道路整備の推進や管理の充実・強化が図られるよう、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。 記 1 長期安定的に道路整備・管理が進められるよう、新たな財源を創設するとともに、道路関係予算は所要額を満額確保すること。 2 高規格幹線道路については、着手済み区間の早期開通はもとより、未着手区間の早期着手及び暫定2車線区間における4車線化といった機能向上を図ること。 3 令和2年度までの限定的な措置となっている「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を継続し、対象事業の範囲を拡充すること。また、地方が国土強靱化地域計画に基づく事業を着実に推進するため、必要な予算を確保するとともに、緊急自然災害防止対策事業債等の継続を含めた地方財政措置制度の充実を図ること。 4 道路施設の老朽化対策を推進するため、点検・診断・補修などのメンテナンスサイクルを確立し、予防保全を含む戦略的な維持管理・更新事業を行うための技術的支援の充実を図るとともに、対策予算を確保すること。 5 冬期交通における安全性の確保、通学路などの交通安全対策、無電柱化の推進、安全で快適な自転車利用環境の創出、北海道観光の発展に資する交通ネットワークの形成など、地域の暮らしや経済活動の復興を支える道路の整備や管理の充実を図ること。 6 泊発電所周辺の道路は、複合災害発生時における避難道路としての機能も有していることから、こうした道路の事業について、国の負担割合を引き上げるとともに、早急な整備と適切な管理を図るために必要な予算を別枠で確保すること。 7 災害発生時の迅速かつ円滑な復旧等のため、北海道開発局及び開発建設部の人員体制の維持・強化を図ること。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 各通 総務大臣 国土交通大臣 国土強靱化担当大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第7号 義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・拡充を求める意見書 2年2定 文教委員長 かさい りゅうじ提出 令和2年7月3日 原案可決 義務教育の機会均等・水準確保及び無償制度は、全ての国民に対し、義務教育を保障するための憲法の要請に基づく国の重要な責務であり、我が国の教育制度の根幹となっている。 中でも、義務教育費国庫負担制度は、全ての子どもたちに一定水準の教育機会をひとしく保障するものであり、次代を担う人材を育成するという社会の基盤づくりに必要不可欠なものである。 しかしながら、義務教育費国庫負担法の改正により、平成18年度から義務教育費の国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられたことに伴い、地方公共団体においては、地方交付税等への地方の依存度が高まり、教育財政が圧迫されている状況にある。 とりわけ、広大な地域に小規模校が数多く存在し、また、離島など多くの僻地を有する本道においては、教育財政の逼迫等により、教育水準の全国との格差や市町村間での格差が生じるなど、本道の教育水準のさらなる低下が憂慮されるほか、学力・体力の向上をはじめ、いじめや不登校など多様化・複雑化する生徒指導上の課題への的確な対応、近年増加傾向にある教育上特別な支援を必要とする児童生徒へのきめ細やかな指導の充 実等に支障を来すことが懸念される。 令和という新たな時代が始まり、Society5.0の到来が予測されるなど、急激な社会変化が進み、予測することが難しい未来社会の中で、本道の子どもたちが持続可能な地域のつくり手としての資質・能力を身につけ、幸福な人生を歩んでいくための力の育成を実現させることが重要である。 そのため、これからの教育には、よりよい学校教育を通して、よりよい社会をつくるという理念を学校と社会が共有し、社会との連携及び協働によりその実現を図っていく「社会に開かれた教育課程の実現」が求められており、こうした要請に応えるとともに、教育の機会均等や教育水準の維持向上を実現するためにも、教職員定数をはじめとする教育予算の一層の充実が求められている。 さらに、学校施設は災害時に地域住民の緊急避難場所として極めて重要な役割を果たしており、その耐震性の確保に万全を期す必要があることや、低所得者層の増大を要因とした、準要保護などの就学援助受給家庭の増加に対応する、就学援助制度や奨学金制度の充実なども喫緊の課題となっている。 特に、本年においては、新型コロナウイルス感染症に伴う学校の臨時休業が長期にわたって行われたことから、学習の遅れを取戻し、学びの最大限の保障に向けた環境整備を進める必要がある。 よって、国においては、公教育に地域間格差を生じさせないため、義務教育費国庫負担制度の堅持、少人数学級の実現、地域の教育課題やこれからの社会を見据えた教育に対応するための教職員定数の改善、教科書の無償給与の堅持並びに学校施設費、就学援助費及び教材費等の充実など、地方交付税等を含む義務教育予算の確保・拡充を図られるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 各通 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 北海道議会議長 むらた のりとし 意見案第8号 私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書 2年2定 文教委員長 かさい りゅうじ提出 令和2年7月3日 原案可決 私学は、建学の精神と独自の教育理念の下、時代の変化や社会の要請に応じた特色ある教育を実践し、我が国の公教育の発展に大きな役割を果たしてきた。 しかしながら、我が国は、少子高齢化社会の到来というこれまで経験したことのない厳しい時代を迎えており、私学においても、児童生徒の急激な減少と、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための対応等により、経営環境はより一層厳しさを増している。 近年ますます国際化・高度情報化が進展する社会において、我が国が持続的に成長・発展を遂げていくためには、新しい時代が求める能力や知力を有するグローバル人材の育成が急務であり、私学は、こうした人材育成のために、これまで以上に自主性や多様性を発揮しながら、社会的役割を果たしていく必要がある。 国は、今年から年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校等の授業料の実質無償化を実現し、公私間の格差是正に努めてきたところであるが、私学経営は依然として厳しい経営を余儀なくされており、その安定性・健全性を高めることが何よりも重要となっている。 よって、国においては、こうした私学が置かれている厳しい経営環境と公教育における社会的役割にしっかりと目を向け、次に掲げる事項について支援の一層の充実強化を図るよう、強く要望する。 記 1 私立学校振興助成法に基づく国の助成制度の拡充 2 公私間の納付金負担格差の縮小是正とさらなる保護者の負担軽減施策の拡充 3 学校施設の耐震化促進の一層の支援・充実及び私学におけるICT環境の整備促進 (公私間格差の是正) 4 都道府県が実施する私学助成制度に対する財源措置の一層の充実強化 5 新型コロナウイルス感染症対策等(「新しい生活様式」を踏まえた学校教育活動)に対する国の助成制度の創設 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。 令和  年  月  日 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 各通 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 北海道議会議長 むらた のりとし